継続は力なり
昔から、「継続は力なり」と申します。
・・・と、いきなり、有名かつ基本的な格言を持ち出して恐縮ではありますが、何故突然こんなことを言い始めたかといいますと、とあるスポーツを長年続けているベテランが、こんなことをボソッと言ったのです。
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「継続は力なり」という言葉を、自分は信じていない。ずっと努力を続けてきた自分が、10歳も年齢が下の、経験から言えば私の10分の1にも満たない人間に、どうやってもかなわない、ということが何故起きるのか。単に自分の才能不足、能力不足と言われればそれまでではあるが、特に昨今、プロスポーツの世界でも低年齢化が著しく、同様のことがそこでも起こっている以上、「継続は力なり」という言葉では説明がつかないのではないかと考えている。
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(要約です)
これはいささか極端、かつ早計に過ぎない部分がありますが、スポーツというものがどうしても一発勝負的な側面や、(特に1対1の勝負であれば)流れや相性といったものに左右されてしまう性格を持つ限り、これは致し方のないことであると考えられます。それが故、一つの事象や結果をもって、「継続は力なり」という言葉では説明がつかないと結論付けるのは、少々無理があるのかもしれません。
とはいえ、長年努力を継続してきたにも関わらず、自分より全く経験の浅い、すなわち努力が圧倒的に少ない人間に負けてしまうということが、大変悔しく、簡単には納得がいかないという気持ちは、非常によく分かります。
ただ、この「継続は力なり」、こと料理の上達に関しては、ピッタリとハマる言葉でもあるのです。料理とスポーツは根本的に違いますし、料理は勝負事ではありませんから(上達は自分自身との勝負だ!などといった理屈はひとまず置いておいて)、当然と言えば当然とも言えるのですが・・・。言い換えれば、やればやっただけ、努力したら努力しただけ、それに応えてくれるのが料理ということです。
効率良く料理のコツを覚えたら、あとは「継続は力なり」で、とにかく料理をしてみる、作ってみる。ただやみくもに作りまくればいいというものではありませんが、作るたびに新たな発見があり、新鮮な喜びがあり、そういった様々な経験が間違いなく糧となっていくのが、料理というものなのです。ぜひ途中で投げ出したり、諦めたりせず、続けていただきたいと思います。