料理に関するプロでさえ
料理を作りながらそのレシピを紹介するクッキング番組、料理人が自慢の腕前を競い合う対決番組、行く先々での料理紹介が中心の「食」に重きを置いた旅番組・・・などなど、今や何かしら料理に関するテレビ番組は毎日のように放映され、その勢いは衰えるところを知りません。そして、ひとたび放映されれば、どれもそれなりの視聴率を叩き出す・・・というのが常となっているようです。
そんな中で、ファミリーレストランやファストフード店、居酒屋チェーンなど、同じ業種の店(企業)が自慢のメニューをぶつけ合って、審査員の評価を受けその点数を競い合うといった番組がありました(同じような番組は複数あったと記憶しているので、おそらくこれだけでは特定出来ないと思いますが・・・)。
これを観ていて、料理の面白さや奥深さをつくづく感じてしまうことがたびたびあったのですが、それは、複数の審査員における評価や見解が大きく食い違うということが、珍しいことではなかったからです。
審査員といっても一般の方(いわゆるシロウト)ではなく、有名な料理評論家や著名レストランの料理長など、いずれもその道では指折りの「プロフェッショナル」の方々ばかり。そういう方たちですら、ひとつの料理に対する評価がまちまちで、言っていることがバラバラだったりするのですから、本当に料理って面白いものだなぁとしみじみ(笑)。
最高の評価を与える審査員がいる一方で、同じ料理に対して数々の辛辣な指摘と共に芳しくない点数をつける審査員がいる。そんな時の当該審査員同士のやり取りも、番組を面白くしているポイントではありました。たまにエキサイトしてちょっとしたバトルに発展したりすると、番組制作側としては「してやったり」だったでしょうね(笑)。
もちろん、全ての審査員が意見を同じくし、専門家ならではの切り口を次々と展開し、時にはそれぞれの審査員が見解を補い合いながら評価を組み立てていく様を目の当たりにした時などは、テレビの前でさすがプロフェッショナルだと大いに唸らされたものでした。だからこそ尚更、評価が食い違った際には、驚きと感慨が入り混じった(だけど決して不快ではないという)不思議な心境になったものです。
いずれにしても、プロ中のプロの方々でさえこうなってしまうことがあるのですから、語弊を恐れずに言えば、我々一般人における料理やその味の評価なんて、正解も何もなく、極めてあいまいなものであるとも言える訳です。そう考えれば、自らの料理に対する他人の評価などに一喜一憂せず(もちろん参考にはしていただきつつ)、マイペースで料理の上達に励むことが出来るのではないでしょうか。