料理にまつわるエピソード(その28)
(※とある男性の手記です)
この料理がくそまずいことをどうやって伝えようか。
いきなり汚い言葉から始まって大変恐縮だが、最近私はこの問いにずっと頭を悩ませている。
なんてことはない、一言で言えば、婚約者が作る料理がたまにすごく口に合わない、というより、誰が食べてもくそまずい(ごめんなさい)だろという時があるのである。
彼女の作る料理の全部が全部くそまずい(本当にごめんなさい)訳ではない。すごく美味しいものもある。だけど、あくまで感覚値だが、出されたメニューのうち3分の1くらいは、くそまずい(もう謝らない)のである。
なので、逆にやっかいなのだ。全部が全部くそまずいのであれば、「もう少し料理が上達するよう精進しろ!」とか、思い切って「もう料理は作るな、食事はおれが担当する!」とか、何かと言いようもあるのであるが、美味しいものもある(感覚値で3分の2くらい)というのが、よく分からないのである。
ごめんなさい。ここまで読んでいただいて、私がぞんざいな口をきく、乱暴な男であるかのような印象を受けた方もいらっしゃるかと思いますが、実は決してそうではないのです。「これはうまい」「これはくそまずい」って、ハッキリと指摘出来ればいいのですが、私の性格からして、それは出来ないのです。なので、全部が全部くそまずかった場合の上記の物言いは、強がりです。願望です。現実的には、「ちょっと〜〇〇ちゃんの作る料理っていまいち微妙だから〜〜〜」くらいに留まるかと思っています。
ちなみに、こういう時に使う「微妙」って言葉は、随分と便利ですよね。私みたいな曖昧で優柔不断な性格の人間は、この言葉がなかったら、日常会話において至極困るケースが多発すること受け合いです。
話が逸れましたが、要するに私は婚約者が怖い。言いたいこともハッキリと言えない。
どうも彼女、自分では料理にはそれなりの自信があるらしく、こと料理に関しては、決して強いことは言えない。
たまには、「まずいんだよ!」と、ちゃぶ台をひっくり返すくらいの大舞台を演じたい。それが、偽らざる本音です。
結婚、うまくいくかなぁ・・・。