自分で料理をすることの価値
一昔前に比べ、今の時代は大変便利な世の中となり、例えば家の近くのコンビニエンスストアに出向けば、大抵のものは揃ってしまいます。
食事にしても同じで、おにぎりやサンドイッチ、カップラーメンはもちろん、お弁当やらお惣菜やら、そしてパスタやら牛丼やらカレーライスやら、どんなものを食べたかったとしても大抵はコンビニエンスストアで手軽に手に入れられてしまうといっても過言ではありません。
料理をせず、コンビニのお惣菜を食卓に並べる妻に対する夫の不満といった話は、今や珍しいものではなくなりましたが、こういった現代の利便性の向上が、少なからず料理人口を減らしてしまっているということは否めない事実です。
食事は睡眠などと並んで、健康的な生活を送るための基本とも言えますから、我々は改めてその意味を考えなくてはいけない時期に来ているのかもしれません。つまり、レストランやコンビニで好きなものだけを選んで食べる、といったことを長年続ける状況が、決して健康に良いこととは思えないのです。今は食品添加物などに気を遣う消費者が多く、供給側も健康的な食を提供するという意識が強くなり、品質や材料にシビアになっていますので、決してレストランやコンビニの食事を否定するものではありませんが、やはりどうしても食べたいものだけを選んで食べ続けてしまう傾向に陥りやすく、それ故、栄養が偏ってしまうのは間違いない訳です。
料理が上達云々という前に、そもそも料理をすること自体が面倒くさいという方も少なからずいらっしゃいますが、料理をすることでかかる時間や費用は、健康な自分を形作るための立派な投資として考えるべきです。それ故、何を作ろうかとか、どういった栄養が摂れるのかとか、あれこれ考える時間も含めて、大いに楽しむべきです。スーパーの食品売り場で仲良くカートを押しているカップルや、子供たちとわいわい食材を選んでいるご夫婦をよく見掛けますが、あれはそういう時間であり、本当に楽しいものなのです。
今、現代社会の便利さに甘えることなく、自分で料理をすることの価値が改めて見直されるべきですし、実際に見直されつつあるのです。