珍味について
料理に花を添える素材の中でも、めったに味わえないその珍しさや、変わった姿形から、「珍味」と呼ばれるものが多く存在するのはご存知の通りです。
キャビア・トリュフ・フォアグラといった「世界の三大珍味」と言えば割と有名ですが、対して「日本の三大珍味」を聞かれてすぐに答えられる人は、ともすればそれほど多くないのではないかと察します(ウニ・カラスミ・このわたの3つを日本の三大珍味とするのが一般的なようです)。
それは例えば、イクラや辛子明太子といったものも珍味に含まれることがあるため、そういった馴染み深い数多くの珍味に埋もれて、それほど三大珍味といったものを意識しないことが要因ではないかと勝手に推測しています。すなわち、身近であるが故に、逆に取り立てて意識して考える機会が少ないせいではないか、と。
それはともかく、特に世界の珍味に目を向けると、その奇抜さばかりが際立って、実際にはそれほど美味しいものではない(というか美味しいものとして好んで食べる人が少ない)ケースも見受けられるようです。インターネットで「世界の珍味」と画像検索でもしてみれば分かりますが(閲覧注意!)、それを食べること自体に疑問を抱かざるを得ないものも多数存在します。
それにしても、人類においてこういったものを初めて食べた方は、いったいどういった心持ちだったのでしょうか。その勇気(あるいは好奇心?探求心?冒険心?)には、決して皮肉ではなく、心からリスペクトの念を表したい思いです。